読書ノート 2017



 『悟浄出立』(万城目学)
 『火花』(又吉直樹)
 『花のれん』(山崎豊子) 
 『阪堺電車177号の追憶』(山本巧次) 
 『大阪へらへら』(茶谷幸治) 
 『太陽の塔』(森見登美彦) 
 

 『四千万歩の男』1〜5(井上ひさし)
 『四千万歩の男 忠敬の生き方』(井上ひさし) 
 『江戸の備忘録』(磯田道史)
 『夜のピクニック』(恩田陸) 
 『民王』(池井戸潤)

 『あかね空』(山本一力) 
 『ワシントンハイツの旋風』(山本一力) 
 『千両かんばん』(山本一力)  
 『蒼龍』(山本一力) 
 『損料屋喜八郎始末控え』(山本一力)
 『赤絵の桜 損料屋喜八郎始末控え』(山本一力)
 『粗茶を一服 損料屋喜八郎始末控え』(山本一力)
 『ジョン・マン1(波濤編)』(山本一力) 
 『ジョン・マン2(大洋編)』(山本一力)
 『ジョン・マン3(望郷編)』(山本一力)
 『ジョン・マン4(青雲編)』(山本一力)
 
 

 『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子)
 『俗語発掘記 消えたことば辞典』(米田明彦) 
 『俳句世がたり』(小沢信男)  
 『ボローニャ紀行』(井上ひさし) 

 『大阪の問題集ベスト選』(橋爪紳也監修 創元社編集部)
 『大阪鉄道大百科』(ウォーカームック)
 『すごいぞ! 私鉄王国・関西』(黒田一樹)
 『熱き男たちの鉄道物語』(新なにわ塾叢書)

 『いまよみがえる三好長慶の世界』(大阪春秋 平成29年新年号)
 『夕陽のまち おおさか』(大阪春秋 平成29年春号)
 『新田開発と新田会所』(大阪春秋 平成29年夏号)
 『大塩の乱180年』(大阪春秋 平成29年秋号)

 『大大阪の時代を歩く 』(橋爪紳也編)
 『ブラタモリ(大阪・大坂城など)』(NHK「ブラタモリ」制作班)
 『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎) 
 


『江戸の備忘録』(磯田道史)

 
知らないことが出て来たというよりも、なるほど、新発見!という方が読後感としてはいいような気がしました。上杉鷹山に匹敵する人物は、平成の世には 出現しないということを、しみじみと感じました。とりわけ、今どきの政治家ほど腐りきったものはいない、という思いでございます。


「日本人の識字率」

 ちなみに本多作左衛門は日本一短い手紙「一筆啓上。火の用心。お仙泣かすな。馬肥やせ」で知られる人物。彼は妻のためにも達意平明の文を書いた。


「百二十四年、眠っていた『平成』」

 今年で平成も20年(執筆当時)。立派な大人になった。実はこの平成年号。幕末にも年号候補になりながら不採用になった過去がある。
 「平成では、また平治のように成る」から、このときの政治状況では、とても採用できなかったのである。平成になって二十年目になるが、今のところ、国内は平和。平治のようにはなっていない。昭和二十年を思えば、平成は一浪した年号とはいえ吉号だろう。


「京都の豆腐、江戸の豆腐」

 「あかね雲」は豆腐屋が主人公である。豆腐はもともと中国への留学僧が日本に持ち込んだ料理であり、寺院の多い京都の方が豆腐作りの技術が進んでいて、 味もよかった。だから、職人が京都から江戸に「下って」きてつくった豆腐が大評判になるという山本一力氏の物語設定は、なかなかよくできている。



「相撲今昔物語」

 八百長の語源は七代目伊勢ノ海親方に由来する。伊勢ノ海は囲碁に目がなかった。それにつけ込んだのが、天秤棒で野菜を売りにくる男、八百長こと八百屋の 根本長造である。「囲碁の心得も少しはある」などと言い、囲碁友達として伊勢ノ海に取り入り、さんざん商売をした。力士は大食いだから、そこへ八百屋が取り入れば、当然、野菜は 大量に売れる。大いにもうけた。そればかりか、八百長は、伊勢ノ海の世話で相撲茶屋・島屋の株を買い受け、これまた大繁盛した。そんなふうにして八百長は左うちわの暮らしを手に 入れた。‥八百長は日ごろ伊勢ノ海と対戦するときと違い、へぼな碁を打っていない。見事な碁を打っている。八百長は接待のため、自分にわざと下手な手を打っていたのだ。




『あかね空』(山本一力)

あれよあれよと物語が進行し、ハッピーエンドで終わってしまうのかなと思いました。波乱があってこそのまとまりなんですね。 読み切るのに2日かかりましたが、それでよし。




戻る