読書ノート 2002-3
『森博嗣のミステリィ工作室』(講談社文庫)『詩的私的ジャック』より
そういう人に出会ってみたいと思います。まあ、無きにしも非ず‥ですが、とりあえず邪推はやめておきましょう。 『封印再度』
続きを期待するほかないでしょう? このまま終わるとすれば‥消化不良ですよね。 『有限と微小のパン』
美形だと気にしたことはないですが、何となく、らしき女性を探してしまいますね。大抵の場合、彼女についても一言書かざるを得ないでしょう。
『アトランティスのこころ』(スティーヴン・キング 新潮文庫)サリー・ジョンは心外な顔を見せた。「だれが汚い言葉をいったんだよ? おれはいってないぞ」
訳者の苦労が偲ばれる場面の1つです。ようやく、上巻を読み終わったところです。 「わたしはいまフィラデルフィアに住んでいる。プロのカメラマンである美しい妻がいて、もう成人した三人のすばらしい子どもにも恵まれた。腰の具合は悪いが気立ては最高の年老いた愛犬がいて、住んでいる古い家はいつもどこかしらを修繕しないとならない状態だ。だから、いつも妻がこぼしているー靴職人の子どもはいつも裸足で走り回り、大工の家はいつだって雨漏りがしているというから、これは仕方がないのね、と」
ひとまず読み終わったことと、映画との違いを書いておいただけである。
『黒猫の三角』(森博嗣 講談社ノベルズ)「面白い話、してほしい?」 紅子は両手で頬杖をして、真っ直ぐに練無を見ていた。
是非、考えてみてくださいませ。子どもたちにとっては簡単かもしれません。
保呂草潤平氏の登場が‥なんとも笑劇的でした。
『なぜ私はこの仕事を選んだのか』(岩波書店編集部 岩波ジュニア新書)三輪主彦「デモシカ先生からシカ先生へ」
世界にはばたく人と日本で踏ん張る人がいる。岩波ジュニア新書でした。
『人形式モナリザ』(森博嗣 講談社ノベルズ)書斎にあったバーボンから毒物が発見されたことは、朝刊にあったとおりだ。
ただ、玉蜀黍という漢字が気になったのだ。何となく、形をイメージしているような字だね。
『本当の学力をつける本』(陰山英男 文芸春秋)「百マス計算」という言葉を、初めて知りました。
『恋恋蓮歩の演習』(森博嗣 講談社ノベルズ)「私なんか、もう何もないのよ。全部取られてしまったのよ。だけどね、どうしても取られないもの、誰にも渡せないものがあります。それが、人の価値を決めるものです。それだけは、最後まで、死ぬまで、誰のものでもありません。立ち上がりなさい。人の誇りを持ちなさい!」 紅子の独断場ですね。冒頭に引用したい文のひとつです。 「そやそや、午前のAMは、なんでAMなん?」
当を得た答えですね。
『夢・出逢い・魔性』(森博嗣 講談社ノベルズ)「あの‥‥、火事で‥‥、えっと、救急車で運ばれて、意識不明で」
TV局にありそうな、ディレクタとアシスタントの破滅的な会話です。
『パレスティナ』(広河隆一 岩波文庫)本来はフォトジャーナリストという広河隆一氏の報告。
「インティファーダ(民衆蜂起)」から「暫定自治協定」と続いたあとのできごとをまとめています。
この本を読んで、初めて気がついたことは
『イラクとアメリカ』(酒井啓子 岩波文庫)アジア経済研究所主任研究員の酒井啓子氏作。 中東の「革命政権」から始まったひとりの政治家が、どのようにしてアメリカを発見し、アメリカによって発見され、アメリカを利用しようとし、そしてアメリカと向き合うことで世界を統べようとしたか。本書では、イラクの現代史をその対米関係を軸にして見ていくことで、アメリカの作り出した中東世界での諸矛盾を浮き彫りにしていきたい。(序章より) その政治家とはサダム・フセイン、その人である。とても難しい問題ですから、コメントは差し控えますが、今もなお「武器査察」をめぐる攻防がアメリカのイラク攻撃の口実に使われそうな気配です。 アメリカの軍事攻撃が中途半端に終わってフセイン政権が存続したとしても、米軍はさっと撤退できる。だが周辺国は否応なくイラクと関係を持たざるを得ない。その相手がフセイン政権でない方が良いかもしれないが、フセイン政権が存続するのであれば、イラクに対する英米の攻撃に軽々と同調して、後に怨恨の対象にされてはたまらない−。それが周辺諸国の基本的認識である。だからこそ、周辺国であれ反体制派であれ、アメリカに求めることはただひとつ、アメリカが本当にイラクの政権を転覆する用意があるのか、その確証を示せ、ということに他ならない。(本文より) 折りしも、ブッシュ大統領が「悪の枢軸」と名指しで批判した北朝鮮との国交回復交渉が始まりました‥。
『クロスファイア』(宮部みゆき 光文社文庫)宮部みゆき作の文庫版。 確かに、どうしようもない奴らは世の中にたくさんいるよ。けど、そういう連中だってちゃんと世渡りしているのよ。だもの、真面目に生きているあたしたちが、損ばっかりするわけないって。ちゃんとどっかで帳尻があうものよ。
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