読書ノート 2019


みをつくし料理帖シリーズ
 「八朔の雪」」(高田郁、ハルキ文庫)
 「夏天の虹」(高田郁、ハルキ文庫)
 「花散らしの雨」(高田郁、ハルキ文庫)
 「残月」(高田郁、ハルキ文庫)
 「想い雲」(高田郁、ハルキ文庫)
 「美雪晴れ」(高田郁、ハルキ文庫)
 「今朝の春」(高田郁、ハルキ文庫)
 「天の梯」(高田郁、ハルキ文庫)
 「小枝しぐれ」(高田郁、ハルキ文庫)
 「心星ひとつ」(高田郁、ハルキ文庫)
 「花だより」(特別巻)(高田郁、ハルキ文庫)
 「みをつくし料理帖」(高田郁、ハルキ文庫)


あきない世傳 金と銀シリーズ
 「一 源流篇」(高田郁、ハルキ文庫)
 「二 早瀬篇」(高田郁、ハルキ文庫)
 「三 奔流篇」(高田郁、ハルキ文庫)
 「四 貫流篇」(高田郁、ハルキ文庫)
 「五 転流篇」(高田郁、ハルキ文庫)
 「六 本流篇」(高田郁、ハルキ文庫)
 「七 碧流篇」(高田郁、ハルキ文庫)
 
出世花シリーズ
 「出世花」(高田郁、ハルキ文庫)
 「蓮華の契り」(高田郁、ハルキ文庫)

 「あい」(高田郁、ハルキ文庫)
 「ふるさと銀河線」(高田郁、双葉文庫)

 「晴れ ときどき 涙雨」(高田郁、幻冬舎文庫)
 
 
 「長流の畦(流転の海 第八部)」(宮本輝、新潮文庫)
 「西成山王ホテル」 (黒岩重吾、ちくま文庫)
 「人魚の眠る家」 (東野圭吾、幻冬舎文庫)
 「栄花物語」 (山本周五郎、新潮文庫)
 「蜜蜂と遠雷」上・下 (恩田陸、幻冬舎文庫)
 「田園初 港行き自転車」上・下 (宮本輝、集英社文庫)
 「パラドックス13」 (東野圭吾、講談社文庫)
 「海の見える理髪店」 (荻原浩、集英社文庫)
 「遠い幻影」 (吉村昭、文春文庫)
 「危険なビーナス」 (東野圭吾、講談社文庫)
 「晩秋の陰画」 (山本一力、祥伝社文庫)
 「僕と妻の1778話」 (眉村卓、集英社文庫)
 「あと少し、もう少し」 (瀬尾まいこ、新潮文庫)
 



 「大阪 淀川歴史散歩」(都市研究会編、洋泉社)
 「るぽ西成」(国友公司、彩図社)
 「『まち歩き』をしかける」(茶谷幸治、学芸出版社)
 「転んでもただでは起きるな」(安藤百福発明記念館編、中公文庫)
 「大阪の教科書 上級編」(橋爪紳也監修 創元社編集部編、創元社)
 「天下一の軽口男」(木下昌輝、幻冬舎時代小説文庫)
 「むらさきのスカートの女」 (今村夏子、文芸春秋)
 「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」 (大島真寿美、文芸春秋)
 「仲野教授のそろそろ大阪の話をしよう」 (仲野徹、ちいさいミシマ社)
 
 「和泉市 ココロ トリコ イズミ(大阪春秋平成30年夏号)」(福山琢磨、新風書房)
 「没後40年 漫才の父・秋田實とその時代(大阪春秋平成30年秋号)NO,172号」(福山琢磨、新風書房)
 「堺台場と幕末大阪湾防備(大阪春秋平成31年冬号)NO,173号」(福山琢磨、新風書房)
 「日本の祭と神賑」(森田玲、創元社)
 「JR大阪環状線沿線の不思議と謎」(小林克己、実業の日本社)
 「戦争の記憶 コロンビア大学特別講義ー学生との対話ー」(キャロル・グラック、講談社現代新書)
 「生命科学者たちのむこうみずな日常と華麗なる研究」(仲野徹、河出文庫)
 「全世界史 上・下巻」(出口治明 、新潮社文庫)
 「じゃりン子チエ」1,2(はるき悦巳 、双葉文庫)
 



思いもかけず、学んだこと「あきない世傳 金と銀」

・術(ずつ)無うて [=苦しくて]仕方ない
・長月十三日:住吉で宝の市が開かれる。もとは実りの秋を感謝する神事だが、商いにご利益があるとして、そこで売られる枡を求める人々で大いに賑わうのだ。
・労って(ねぎらって)
・戯(ちょう)けるな [=ふざけるな]
・真似衆(まねし) [=人の真似ばかりする者]
・労った(いたわった)
・埒(らち)があきません
・興正寺傍の天満組呉服仲間の会所
・縹(はなだ)色の空:古くから知られた藍染めの色名で、藍色よりも薄く浅葱色よりも濃い色のこと。 明度が高い薄青色のこと。後漢時代の辞典によると「縹」は「漂」と同義であるとある。 花色、月草色、千草色、露草色などの別名があり、これら全てがツユクサを表している。



話しはたいてい繋がっているものだけれど
 
 「ふるさと銀河線」「返信」は、 「あい」の旦那さんである関寛斎が開拓した陸別町のお話しである。 星降る頃に、訪ねたい気持ちになったけれど、ツアーからは外れているようだ。



「出世花」だって刺激的!

・片笑窪
・樒という名は、「悪しき実」から付いた、と言われるほどなのでございます。
・おもと、はしりどころ、あしび、夾竹桃、栴檀、鳥兜、蓮華躑躅‥そう、新藤の言うとおり、この世に毒となるものは数知れない。



「栄花物語」で、田沼意次の先進性 

を評価したのは山本周五郎なんですが、池波正太郎も「剣客商売」で同じ扱いをしていたことを思い出しました。 賄賂にまみれた田沼政治を白河の水(松平定信)が清らかにした(そのまま狂歌の世界)という俗説があり、今もなお強力でございます。 時代の流れを読み取り商業の発達に注目して財政改革に臨んだ田沼意次の開明性、毎度の農本主義をとる定信の「改革」(実は保守)では雲泥の差があるようです。 そこのところは、わたしだって十分に理解したうえで語ってきたつもりですが、時代小説の大家であるお二人がそろって人間、田沼意次を謳いあげたように思います。




『晩秋の陰画』中の「冒険者たち」 

たいていは一度読めば次の作品に移りますが、「冒険者たち」はすぐに2度読み、3度読みをしました。こんなことは滅多にありません。 短編小説における傑作の一つに違いありません。





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