日帰りの旅「湯郷の里:マスカットを求めて」


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日帰りの旅のまとめ 10/8

 たかが日帰りと言うなかれ。マスカット・オブ・アレキサンドリア賞味の旅である。もちろん、マスカットは大阪にも出回っている。しかし、たらふく食べることはない。それを、食べ放題とは、妙に興味をそそるわけで、わたしは虜になってしまったのだ。

 突然の3連休である。3日間も家でゴロゴロするとなると、さすがのわたしも発狂しそうになる。1日の喜びが、あと2日の不毛を抑えてくれる‥そう、思い込むほかない。これまでもそうしてきた。もっともっと長い心の空白も、それで埋めてきた。いやいや、ここで湿っぽくなってはいけないのだ。

 「0:00」獲得のバトル(「オバカ衆」のお遊びだ)に敗れ、チャットに顔を覗かせ、最後のメールを書いたところ、もう午前3時である。チャットを早落ちし、また礼を失してしまった。いつか、きちんとお詫びをしなければ‥と思う。実は、こういう訳なんだよ。

 以下は、この秋 10月7日に訪れた岡山県東部のことをまとめたものである。一泊でもすれば、もう少しはましなことが書けたかもしれない‥そのつもりで、お読みいただければと思う。 



  

眠い朝だった


 妻との2人旅だった。わがまま娘(念のため書いておくが、悪い意味じゃないって‥)と昼まで眠りこけるに違いない息子は、初めから置いてけぼりである。

 5:30起きである。自転車で駅に向かい、地下鉄を乗り継いで、O-CAT(JR難波駅)裏の観光バス専用駐車場へ行った。7:00発、梅田のMBS前で仲間を積んで、いざ出発である。中国自動車道に入った途端、すごい車の列、いきなりの渋滞である。あははは‥このあとは、寝てしまったので分からない。赤松PAでトイレ休憩だ。揚げたての棒カマ(蒲鉾)を食べた。これがおいしいんだよね。まとまったお弁当よりも、ちょこっとつまむのがいいんだよね。何故か、お腹がそのために空いている。 

 次ぎに着いたところが、高速を降りたばかりの湯郷の里の入り口にある、“もうもう工房”である。WC休憩を兼ねたものだ。ここで、写真を1枚‥。わが全身像である。失望を与えないように、できるだけ小さく?‥期待しない方がいいのだ。

 ミルクたっぷりの“もうもうパン”なるでかいパンがおいしいと聞いたが、買わなかった。先ほどバスの中で、あんパン(もちろん、粒あん!)とチョコ・チップ入りのパンを食べたばかりだから。ただし、直径24cmのドイツパンなら買ったはずだ。6月に行ったばかりのドイツの森「クローネンベルク」は、ここから近い。

 “もうもう工房”の隣にある松茸のお店に立ち寄った。おお‥高い!国産の松茸の香りだけいただいて、バスに乗る。

   

 栗拾いよりもコスモス

 湯郷温泉をちょっと過ぎたところにある“茶山観光農園”で下車。観光バスでいっぱいである。

 栗拾いよりもコスモスである。8月末の黒姫高原のコスモスに続き、岡山県のコスモスだ。早速、カメラを構える。

 赤いのをうまく撮りたいとの執念にこたえられるかどうかだ。

 出来映えを見ると、どうにもうまくいっていない。カメラのせいにしておこう‥。

 

 小高い山を登っていった。栗の木がたくさんあり、木の根元付近に栗が転がっているではないか。

 ちょっと待ってよ!いがの中に栗がかたまって、木に成っているんじゃあなかったのか? 棒でたたき落とすんじゃなかったのか? すでに落としておいてくれた?

 ほとんど考える暇もなく、転がった栗を拾い集めた。妻は大きいのばかりを選んで、かごに詰めている。どこからか、いっぱいにしなくても下に戻れば追加してくれるそうだ‥の声。

 わたしの籠はすでにいっぱいである。元田舎の子なので、坂もへいっちゃら、なんだ。

 

 ところが、だ。わが妻の言うには、せっかく集めた大きな栗を全部取り上げられて、代わりに籠いっぱいの栗と交換してくれたそうだ。ただし、栗は小さかったんだ。こんなんだったら、自分で集めた方がよかった‥と、いつまでも繰り返し、ぼやいているわが妻。こんなときは黙っているしかない。

 しかし、おかしい! 栗拾いのお客のために、朝のうちにバラの栗をばらまいているんじゃないのか? 潮干狩りじゃないんだから‥。もし、そうだとすると、興ざめである。2度と来るものか!

 

 金木犀の甘い香り、申し訳程度のコスモス、時期を終えた彼岸花、黄金色の稲‥いいねぇ、都会では見られない秋の風景に、わたしは酔っている。

 このあとは湯郷に戻り、栗ご飯の昼食に温泉だ。昼間に入る温泉は初めてかもしれない。

 

今日のメインは、マスカットの食べ放題

 湯郷温泉を出て、南へ1時間ほど行ったところで下車。気持ちが高ぶる。農家のおっちゃんの説明に気もそぞろ‥。マスカットのあるビニルハウスまで急ぎ足。食べ放題だよ。ただし、一人一房だけ取って、食べるのはあっちだよ。おかわりのマスカットはこちらで用意してあるよ。だれも、2つ目を食べた人はいないよ。はーい!鋏は 15 人分だよ。はい!ここまで‥。

 わたしは16人目だった。大きなマスカットをかかえたおばちゃんがハウスから出てくる。おお‥大きい!「大きいですね。体に合わせてですか‥」妻が、即座に「失礼な!」わたしは一瞬だけ、落ち込んでしまった。懲りない面々、いや、わが面(ツラ)を隠したい。

 

 順番が来て、一房だけちぎって、所定の場所へ。写真を撮るのに一生懸命で、食はすすまず。10粒過ぎたあたりで、時間切れ。これでは、そりゃ、誰もおかわりはできないよ。時間切れだもんね。ツブツブ‥いや、ブツブツ‥。

 ご免ね!満面の笑みを浮かべて、マスカットをほおばる、たろうの写真は撮れなかった。撮らない方がよかったとも言える。

 このあと、お店に寄り、お土産を買う。マスカットを買うか、マスカット風味のきび団子にするか‥随分迷ったが、結局きび団子にした。分けるのが面倒だったからだ。わたしなら、加工品よりも本物がいいんだけれど。待っててね〜。

 

牛窓のオリーブの丘

 6月に行ったばかりの牛窓まで行く。といっても、港を見渡せるビュー・ポイントの“オリーブの丘”だけだった。これだけなら、行かない方が良かったと思う。

 申し訳ないじゃないですか。風待ちの港、朝鮮通信使の訪れた港、日本のエーゲ海と言うなら、地中海料理でしょう?オリーブオイルをたっぷりと使った海の幸、マリンスポーツも、秋だから無理としても、ヨットあるいはクルーザーで海に出るのもいいはず!こだわりの牛窓である。 

   

 まだ青いけれど、オリーブの実が成っていた。世界で2番目においしいソフトクリームも健在だった。じゃあ、1番はどこ?とは聞かなかった。答えを知っているからね。おまけに、大目付がそばにいると何も言えない。しょうもないことを‥と言われるに違いない。言葉は災いのもと。失言は1日ひとつでいいか‥しんみりとしてしまったわけではない。

 先ほどの答えはひ・み・つ‥買ったら、教えてくれるはずだから。営業妨害はしない。おばちゃん、また来るよ〜。

 お店では、ガーリックオリーブオイルを買った。さてさて、いつ、このオリーブオイル入りの料理が出て来るのかな?

 

 この前来たときよりは、港がよく見えた。“ソフトクリームの写真”のほかは、オリーブの木にするか、港にするかで迷ったが、ひとまず港だね。結論的には、牛窓には行かなくてもよかったような気がする。家にたどり着いたのは9時前だったからね。マスカットを食べる時間をもう少し増やして、その後すぐに帰阪ということならもうちょっと早く戻れたはずだ。ああ‥肝心なことを書くのを忘れていた。白桃のソフトクリームを食べたんだ。蛸棒に、御幣餅もね。ふっふっふ‥いやいや、ここまで読んでくれてありがとさん、でした。

 阪急トラピックスの旅はいつも忙しい。そう言えば、去年のオーストラリアも、今年の香港もここのお世話になった。盛りだくさんで、食傷気味ってこともある。新聞広告を見て、安さに飛びつくのだから、文句のつけようもないわけだが‥。帰りのバスでのことだ。来る11月、沖縄旅行2泊3日が18,800円、人気ですよ‥おいおい、商売がうまいじゃないか! 仕事がいっぱいだから行けるわけないよ‥。