鬼平犯科帳  2021年12月3日

合掌 中村吉右衛門さん死去

『鬼平犯科帳』1〜24(文春文庫 池波正太郎)

どちらかというと、経営に携わる人たちに人気があるようだ。「火付盗賊改」の長官として配下の与力・同心ばかりではなく、 元盗賊までを手先をして使いこなす操縦術は、なかなか真似のできるものではない。ときには緩く、ときには厳しくしながら、 いざというときには長官のためなら命を投げ出す覚悟ができている、そんな部下を持つだけの魅力が備わっているのだ。

40代の中間管理職として、身体の衰えをぼやきながらも、 数々の事件に際し、眼力に衰え知らずの痛快な時代小説である。

その度量の一部でも吸収したいものだと思ってしまう。

『鬼平犯科帳の世界』(文春文庫 池波正太郎)

決定版「鬼平事典」である。書いた本人がまとめているところが凄い。絵地図もついている。 江戸(東京)には不慣れな分、珍重したいと思う。

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『風烈廻り与力 青柳剣一郎』シリーズ(小杉健治、祥伝社文庫)は現在55巻まで進んでいるが、まだまだ終わりそうな気配がありません。江戸で言えば、「北町奉行」と「南町奉行」がありますが、そこに、「火付盗賊改」が補完されたようです。

青柳剣一郎は南町奉行に仕える、有能な与力の一人です。しばしば「火付盗賊改」配下の者どもが、捜査の邪魔をして困っているようです。怪しいとなれば、即逮捕して、拷問を加えて自白を迫るというやり方に迷惑しているようです。


路地から撮りました。




トウカエデ




A地点の山茶花