葉室麟 作品にお別れ  2021年10月28日

「天翔ける」(主人公は 松平春嶽)を読み終えました。葉室麟さんの最後の作品になったものです。わたしより2歳年下で、4年前に亡くなった方です。 直木賞作品となった「蜩ノ記」以降の連作を読み終えて、「天翔ける」が最後の作品と決めていました。

元々、長編となっても、連作はお気に入りとなることは多いです。その一つに「羽根藩シリーズ」(5冊)が仲間入りを果たしました。 そして、葉室麟さんが私の大好きな作家となりました。とりあえず15冊ばかり読み終えて、そのうち、いつか彼の作品に戻ることがあることと思いますが、 ひとまずのお別れとします。

「羽根藩シリーズ」(5冊)の帯より

「蜩ノ記」:命を区切られたとき、人は何を思い、生きるのか。

「潮鳴り」:襤褸蔵と呼ばれるまでに、落ちた男の生き様

「春雷」:恐れず、ぶれず、ためらわず。ただ一心に大願を遂ぐ。鬼と謗られる孤高の男の想いとは?

「秋霜」:覚悟に殉じた武士。独り耐えるしかなかった女。その寂寥に心を寄せた、孤独しか知らぬ男。ひとはなぜ、かくも不器用で、かくも愛しいのか?

「草笛物語」:「蜩ノ記」を遺した戸田秋谷の死から十六年。蒼天に心燃ゆ。泣き虫と揶揄された少年は、友と出会い、天命を知る。「若い世代に命が続くことをうたい上げた物語」