物は考えようだな  2020年4月9日


物は考えようだなという個人的な話

元々旅好きの人間なんですが、非常事態宣言が出るにあたって、国内旅行も海外旅行も消し飛んでしまいました。

すでにその前から、3月の鳥取県への旅をキャンセルし、4月初めの富山県への旅もキャンセルしていました。どちらも長らく感染者ゼロの県だったのですが、苦労している人たちをよそに自分たちだけ楽しむという気分ではありませんでしたから、残念ながらそんな風にしたわけです。

今日は、6月に予定していた外国旅行の中止が、旅行業者から連絡されました。入国禁止のため、その国への旅行ができなくなったのです。実は、キャンセル料がかからないうちにやめようと考えていたわけですから、余計な手間がかからなくてホッとしたところです。

一息つくのがいつになるか分かりませんが、心からの楽しみを残しておくことで、それなりに納得した次第です。

私の心はアメリカのボストンに飛び、岩手県の宮古市田老地区の防波堤に向かいました。「ハーバード日本史教室」(佐藤智恵、中公新書ラクレ) を読むことでそれが可能になりました。

今は福島第一原発に来ています。「死の淵を見た男」(門田隆将、角川文庫)を読みながら、心は福島県に飛んでいます。

こんな旅なら、自由自在にどこへでも行けるわけで、当分の間、本読みであちらこちらへの旅を楽しもうと考えています。本物の旅が解禁されるまでの辛抱ですが、それはそれで十分に楽しいものです。